ネットショップを始めるには、大げさに言えば商品販売ページだけでも成り立ちます。
ただ、たくさんいる競合他社との違いが伝わらず、商品価格や送料、特典などの「購入者がオトクな条件」だけで比較されてしまいます。
しかし他社よりも安く提供するだけでは、たいていの場合、経営が厳しくなってしまう可能性も否定できません。
競合店との差別化をどうやって図るか。
お客様は金額以外に何を重視されているのか。
それはショップのことを好きになってもらうことです。
ショップ、というと無機質なイメージになってしまいますが、ショップの「コンセプト」「取り組む姿勢やスタンス」、ショップの中の人(スタッフ)を好きになってもらうことで、お客様との間に深いつながりを作りあげていくことが大事です。
ネットショップサイトの中でこの部分をどうやって作っていく=サイトコンテンツを強化していく、かを考えていきましょう。
ショップの強みを洗い出す
競合他社との差別化を図るために、先ずはネットショップの自己分析をしましょう。
具体例としてSWOT分析を使ってみましょう。
SWOT分析とは、
強み(S)・・プラス要因・内部環境
弱み(W)・・マイナス要因・内部環境
機会(O)・・プラス要因・外部環境
脅威(T)・・マイナス要因・外部環境
を洗い出すことで、現状の課題や状況の見直し、今後の事業の方針や戦略などを考える手法です。

外部環境・内部環境内でさらに「PEST分析」を使ってみたり、
クロスSWOT分析にして戦略寄りの分析をするなどがあります。
SWOT分析以外にも、QPC分析(※)を使って自社の強みを洗い出すことも有効だと思います。
分析した結果を基に、サイトコンテンツに落とし込むことで、
狙ったSEO効果が得られやすいサイトを作ることができます。
※QPC分析とは
品質(Q)・価格(P)・利便性(C)のうち、どの要素が自社の強みになっているかを洗い出し、客層と掛け合わせることで、キャッチコピーなどPRしたい強みを見つけることができる。
サイトコンテンツを強化する
方向性が決まったら、サイトコンテンツの強化をしていこう。
商品詳細ページにキーワードを盛り込む
商品の説明やキャッチコピーなどを、分析して出た強みなどキーワードを盛り込みましょう。
一番伝えたい強みは、見た人の目に一番始めに飛びこむような、文字サイズ・配置・配色で。
また、購入意欲のあるお客様が一番知りたい情報がすぐに見つけられるように気を配るようにしましょう。
商品はいくらなのか、送料はいくらなのか、購入手続きに進むにはどこを押したらいいのか。
知りたい情報はなるべく「カートに入れる」などの購入手続きに進むためのボタンやリンクの周りに集めることをオススメします。
レビューなど、実際に購入した方からの声は買う前には気になるものです。
可能であればレビューも盛り込むのもオススメです。
ブログを取り入れる
ブログはサイトコンテンツとして必須ではありませんが、ネットショップの「中の人」を身近に感じてもらえるためのツールとしてとても有効です。
人となりや、お店の雰囲気などを垣間見ることができるので、そこから親しみを持ってもらえたり、リピーター獲得にも一役買うことがあります。
ただし、「自社ショップのブログ」であることを忘れて好きなように投稿してしまうと、場合によっては炎上してしまい逆効果になることも。
ショップで投稿ガイドラインを作っておきトラブル防止に努めるようにしましょう。
ブログは日付やカテゴリーで記事を見やすいブログサービスを利用するのが良いでしょう。
有名なサービスでは、Amebaブログ、hatenaブログ、ライブドアブログ等の簡単に作れるサービスから、WordPressなど、サイトと一体化デザイン・管理が可能な高機能サービスなどたくさんあります。
日常のつぶやき以外にも、専門的な知識などお客様にとって有益な情報を載せることにより、より購買意欲を刺激する効果も期待できます。
また、ブログの代わりにSNSを使う、といった方法も最近多くなってきています。
利用するSNSによって特徴があり向き不向きもあります。
別記事で取り上げていますので、よかったらご覧ください。
こだわりや想いを伝えるページを取り入れる
リピーター強化コンテンツとしては、ショップのこだわり・コンセプトなど熱い想いを伝えるコンテンツページを設けるのも良いでしょう。
D2C(Direct to Consumer)という自社で企画・製造した商品を販売しているネットショップ様は特に効果的で、D2Cショップ様の多くが実際こういったページを取り入れているようです。
誤解を招く表記は避けよう
定期購入などを導入していて、○○お試し無料、や初回無料、などを実施する場合、購入者が誤解して購入手続きを行ってしまうリスクがあります。
これによりクレームに繋がってしまうケースもあるので、メリットだけを強調したり、どのような購入になるのかがわかりにくい表記は避けるようにしましょう。
特に昨今、ネットショップの需要が多くなると同時に悪質なお試し商法が増えてきているといったデータが出ています。
メリットを目立たせたいという気持ちはもちろん分かりますし、強調すること自体は有効な手段だと思いますが、意図せず悪質なネットショップと判断されないよう、第3者の何人かに見てもらう等の方法で、内容の見直しを必ず行うようにしましょう。
解析ツールやVOC分析などでコンテンツにフィードバックする
せっかくコンテンツを強化しても、お客様のニーズに合致していなかったら意味がありません。
強化した情報でどのくらいの効果が得られたかを解析ツールやVOC分析(※)などを利用して調査し、サイトコンテンツにフィードバックさせましょう。
これを繰り返し、コンテンツの精度を高めていくことで、最終的にネットショップの売上アップに繋がっていきます。
※VOC(Voice of Customer)分析
お客様の声を集めて分析すること。コールセンターや問合せメール、SNSのコメントなど
日々受け取っているものから、聞きたい内容をアンケートにしてお客様に聞いたりなどで声を集める。
有名な分析では「ABテスト」があります。
現在の状態(A)とコンテンツを強化した後の状態(B)を同じ条件下で比較して効果を分析します。
なお、テスト期間はある程度長めに見たほうがよいでしょう。
特にUIの変更は、最初戸惑ってしまう人は必ずいます。そういったもので即断しないよう気を付けましょう。
アクセス解析で有名なものはGoogleアナリティクスなどがあります。
別記事で取り上げていますのでぜひ参考にしてみてください。
まとめ
コンテンツは徐々に増やせばよいですが、商品ページを何度もリニューアルしてしまうと、リピーターさんが混乱してしまいかねないため、既存のページのリニューアルは慎重に行うようにしましょう。
ただし、画像やレビューを追加で載せたり、新しい情報の追加は、早いほうが効果的なので、どんどん更新することをオススメします。
サイトコンテンツ強化は、すぐに効果が出るのは稀なケースです。
地道な努力を積み重ねてネットショップの強化を図ることが大切です。