CSVファイルをExcelで操作するときの注意点

CSVファイルをExcelで操作するときの注意点

ネットショップを運営されていて、カートシステム等を使用している場合、ほぼ100%「CSV」の文字を見ているかと思いますが、CSVファイルとはなんなのか、意外と理解せず使っている人も多いのではないでしょうか。

今回はCSVファイルについて、Excelで操作するときの注意点をまとめてみました。

CSVってなに?

Comma-Separated Values(コンマ・セパレーテッド・バリューズ)の略称で、コンマ(,)で値が区切られているデータが入っている、「●●●.csv」形式のファイルのことです。
コンマ区切りの1行のデータを改行することで、1レコード(ひとつのデータの「かたまり」)となります。

CSVファイルはシンプルで軽量なテキストデータファイルなので、互換性が高いです。
そのため、表示・編集できるソフトが多いですが、メモ帳などのテキストエディタやExcelで開く人が多くいます。

ネットショップ運用では、商品の登録などデータを一括編集したいときに使用したり、宅配システムなど別システムへの取込用データとして利用したりなど様々で、活用頻度がとても高いファイルになります。

Excelを使う時の注意点

CSVファイルをダブルクリックするとExcelが開く人がいると思いますが、Excelの初期設定の影響を受けて、自動的にデータが書き換わってしまい、そのまま編集・保存してしまうと、CSVのデータが意図しないかたちで保存されてしまうことがあります。

以下にExcelで起こりがちな現象をご紹介します。

数値の頭の「0」が消える

例えば、商品コードを「001」としていた場合、Excelで開くと「1」となってしまいます。
頭の0が勝手に消えていますね。この現象を0落ちと言います。

これは、Excelの設定で、セルの表示形式が「標準」になっている場合に起こります。
なお、だいたいの人はExcelの初期状態の表示形式が「標準」となっていますが、他にも表示形式が「数値」と判定される形式を選ぶと全て同じように0が消えてしまいます。

大きな数値が指数表記(Eが付く数値)で表示される

大きな数値が入ったデータだと、セルの幅によって「指数表記」に勝手に変わってしまいます。
指数表記というと難しいですが、要はセル幅に収まりきらなかった数値を短い表現に変換したものです。

たとえば、元の数値が「200,000」だった場合は「2E+05」となります。

Eは指数表記の英語「Exponential Notation」のEを表します。
+1で10倍、+2で100倍を表していて、大きい数値を省略した表記になります。

200,000 ⇒ 2 × 10の5乗 ⇒ 2E+05

なお、割り切れない場合は省略した数値で表現されます。
さらに数値に対してセル幅が小さすぎる場合は、指数表記すらできずに「#」が表示されます。

※マイナス(-)も存在しており、-1は1/10、-2は1/100と、小さい数値を表しています

数値が日付表示になる

数値に「-(ハイフン)」が入っていると、自動的に日付表示に変わってしまいます。
住所の番地や商品No.などでハイフン付きデータが含まれていると起こります。

例:「1-10」 ⇒ 「1月10日」

「数値/数値」が意図しない表示になる

例えば、「年/月」や「月/日」の数値データがある場合、年が西暦・元号のどちらでもExcelでは意図せぬ表示になることがあります。
例え日付としてはあっていても、表記自体が変わってしまうので注意が必要です。

例:「2020/01」 ⇒ 「Jan-21」
  「11/10」  ⇒ 「11月10日」


この現象は全てExcelが親切に入力を補完してくれるためですが、却って問題が起こってしまうことが多いです。
Excelでデータ編集後保存をしたら、意図しないところでデータが変わってしまっていたり、エラーが出てアップロードできない可能性も。

メモ帳のようなテキストエディタを使って編集するのであれば、上記のような現象は起こりませんが、データ量が多い場合は、コンマ区切りデータが並び、位置も文字数などで位置がバラバラになるため、とても見づらい状態になります。
少しの編集なら問題ないかもしれませんが、何カ所も編集したい場合には不便です。

ExcelでCSV操作をするには

どうしてもExcelで編集をしたい!という方向けに、ファイルを開くところから保存までの手順をご紹介します。
なお、若干ご利用Excelのバージョンによって表示や操作が異なりますので、その点はご了承ください。

ExcelでCSVファイルを開く

ExcelでCSVを開く場合、上記で紹介したような問題を起こさないためには「文字列」として取り込むことで回避できます。

■ 前提

利用サービスのCSV出力形式・書式は、編集前に必ず以下を確認するようにしてください。
ここではなるべく一般的な手順を紹介していますが、利用サービスのルールによっては、 推奨されない箇所も出てくる可能性があります。

文字コード、区切り文字、文字列の引用符有無、保存形式、項目の入力ルール

1.Excelを起動する。
 ファイルをダブルクリックして開くのではなく、直接Excelのソフトを起動すること。
 起動したら新規で空白のブックを開いた状態にする。

Excelを起動する

2.上部メニューバー「データ」を選択すると、データのメニュー(リボン)が表示されるので「テキストファイル」をクリックする。

テキストファイルを選択する

3.開きたいCSVファイルを選択する。
 テキストファイルウィザード画面が表示される。

4.[元のデータの形式]は「コンマやタブなどの区切り文字によって~」を選択。
 CSVの先頭行が見出しの場合は「先頭行をデータの見出しとして使用する」にチェックを入れる。見出しがない場合はチェックせずに【次へ】をクリックする。

5.[区切り文字]は「コンマ」にチェックを入れる。
 「タブ」に初期設定でチェックがあるが必要ないので外す。
 [文字列の引用符]がある場合は設定を確認して【次へ】をクリックする。

【補足】
 CSVの区切り文字がコンマ以外の場合は該当するものをチェックするように

6.[データのプレビュー]に表示されているデータの全列を選択状態(背景黒)にする。
 1列目が選択状態のまま、横スクロールバーを右端まで移動して最後の列を「Shift」を押しながらクリックすると全選択できる
 [列のデータ形式]「文字列」を選択して【完了】ボタンをクリックする。

7.[データの取り込み]は初期状態の「既存のワークシート」のまま「OK」ボタンをクリックする。 

【補足】
 最初にワークシートのセルの選択位置を左上端(A1)にしておかないと、取り込み位置がずれる

8.CSVファイルが表示されるので、編集作業をする。

CSVファイルを保存する方法

感覚としては存在するCSVを開いているので既存ファイルに上書きするイメージだが、Excelの新規ファイルにデータを追加した状態なので、新規保存扱いになります。

1.上部メニューバー「ファイル」を開き「名前を付けて保存」をクリックする。

2.保存先・保存ファイル名を設定後、ファイルの種類「CSV(コンマ区切り)」か「CSV UTF-8(コンマ区切り)」を 選択して【保存】をクリックする。

【補足】
 元のCSVファイルの文字コードがUTF-8なら「CSV UTF-8(コンマ区切り)」を選択すること

3.保存したファイルを念のためテキストエディタで開いてみる。
 データ量が多いと修正位置は確認が難しいので、文字コードと区切り文字を確認するくらいに留める。

★ POINT ★
利用サービスの出力CSVの仕様によっては、ダブルクォート(引用符。文字列単位)が全データに付加されているケースがあります。
ExcelでCSV保存すると必要ないと判断されたデータのダブルクォートは自動的に削除されます。

ダブルクォートは、データの文字列内に制御文字(コンマや改行文字など)を含んでいる場合、ひとつの文字列として括るために使用されます。
制御文字を含まないデータはダブルクォートが消えてしまっても基本的()には問題はないので、全データにダブルクォートを付け直す、なんてことはしなくても大丈夫でしょう。

利用サービスのルールが優先されますので注意して下さい。
 念のため事前に利用サービス側に確認をしておくとより安心です。


【番外】テキストエディタを利用する

テキストエディタでCSV編集を行うのが、特殊な操作を必要としないため一番シンプルです。
テキストエディタは色々種類がありますので、自分の中で使いやすいものを探してみるとよいでしょう。

ただし、ネットショップ運営では、CSVデータの量が多くてテキストエディタでは編集が難しい場合が多いでしょう。

CSV編集に特化したエディタソフト「Cassava Editor」や「SmoothCSV」というフリーソフトが有名ですので、そちらを利用してみてもいいかもしれません。
フリーソフトなので更新されているかやバージョンを、使用前に確認することをおすすめします。


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